浅草橋の革のお店、「レザーメイトさとう」はどうやら人気である。あのお店が好きな人は、私だけではないらしい。いろいろなブログに「とても親切」「あったかいお店」などと書いてある。ふむふむ。
さて、私と娘が先日革を買いに浅草橋に出向いたときのことである。たまには別の店にも入ってみようかと、浅草橋駅近くの革屋さんに入った。作りたいものがあったので、実物を持参していた。
店のおばさんに「このホックありますか?」と実物を見せて聞いたら、おばさんは「ああ、それはジャンパードットと言うのよ」と、すぐにその商品を出してくれた。ジャンパードットとは、強力なホックのことである。革をやり始めると、実に様々な金具があることを知る。
私たちはジャンパードットをひと袋購入した。
さて!
家に帰ってから娘がジャンパードットを革につけようとしたときのことだ。
娘が「あ!!え~~~~???」と叫んでいる。
なになに?と尋ねてみると、
「ジャンパードットをつけるには、ジャンパードット打ちという物が必要なんだ!」と言うではないか。
おーーー、なんということだ。そういえばそうだ。カタログにそんなことが書いてあった。全然気付かなかった。
それにしてもおばさん、なぜひと言「ジャンパードット打ちは持ってますか?」と聞いてくれなかったのだ。
だって私たちがジャンパードットを使うのが初めてだということは、会話からわかりきっていたからね。
どうしよう。いや、どうしようもない。別のもので代用できるわけではない。ジャンパードットには「ジャンパードット打ち」が必要なのだ。これがなくては一歩も先に進むことができない。革ってそういうものなのだ。
レザーメイトさとうで買えばよかった。やっぱりね、佐藤さんのお店で買うべきだったのだ。
以前、私たちが「ホック」を買ったときのこと。レジでホックを差し出したとき、佐藤さんはこう言った。
「ホック打ちと、打ち台はありますか?」と。
ホックには大、中と2種類あって、ホック打ちもそれぞれ必要なのだ。佐藤さんが教えてくれなければ、細かい道具類は私たちにはわからなかった。
だからね、さっき「レザーメイトさとう」に電話して、ジャンパードット打ちを注文したのだ。電話すると送ってくれるので、とても助かる。
やっぱりね、そういうひと言ってとてもありがたいし、お客さんの立場に立って考えてくれているのだと思う。なにせ、革のお店なんて近くにないわけだし、買い忘れたら本当にどうしようもない。
ちなみに、ホックはこれ。
そして、ホック打ちはこういうものです。
「ホック打ちと打ち台はありますか?」
こういうひと言をさり気なく言ってくれる革のお店は、「レザーメイトさとう」の他にはどれくらいあるのだろうか。